移住を迷っている人に読んで欲しい「日本人は『やめる練習』が足りてない」

「日本人は『やめる練習』が足りてない」(集英社新書)の著者、野本響子さんはマレーシアに住みTwitterやnoteで子供の教育や日本とマレーシアの違いについて考察を発信されている方です。

この本が出版されるきっかけになったのはこのツイート。

これにものすごい大反響があったそうです。

そこで気付いたのは、日本社会には、「辞められなくて苦しんでいる」人がこんなにもいるのだ、ということだ。そういえば、私自身も、小学校から大学まであまり悩まずに進学し、就職してから大きな壁にぶつかって苦しんだ。

この本は、そんな私の実体験と、子供を二つの国(マレーシアと日本)で育てた経験から、「辞めて」「自分で選択する」人をどう作るかを書いた。

マレーシアは寛容性と多様性にあふれた国だ。読み進めていくと、「辞める人」が増えると社会はどうなるのか、多様性とは何か、寛容性とは何か、グローバルとは何か、の理解も進む仕組みになっている。

(「はじめに」より

本当に、辞めるのってすごく勇気がいりますよね。

学生時代の部活って一度入ったら辞められない暗黙の了解があったし、社会人になって会社に入ってすごく辛くても3年は頑張れと言われたり。

そして日本での生活をやめて海外へ行こうとしている人たちも似た状況にいると思います。

親からなぜ海外に行くのかと反対されたり、「日本に帰ってから就職先ないよ」と脅されたり….

本当に自分の進もうとしている道は正しいのかと不安になりますよね。

この本はそんな私たちに勇気を与えてくれる本です。

きょうはその中からは第2章「辞める練習をする人々」をかいつまんで紹介します。

クラブ活動は「続けてはいけない」!?

マレーシアのインターナショナル・スクールでは、クラブ活動はたくさんのリストから毎年2〜3種類を自分で選ぶのが一般的だ。先生が教えるスタイルのものもあるが、多くは外部の業者がきて教えてくれるため、ほぼ有料だ。(中略)一番戸惑ったのは、毎年同じクラブ活動を続けることが推奨されていないことだ。

私は一つのことを続ける方がいいと考えていた。一つのことを長く続けるからこそ、結果として強いチームや個人ができる。(中略)ところが、こちらの学校では、毎年、違うクラブ活動を少しずつやることにこそ意味があるというのだ。わけがわからない。

(74ページより)

日本の小学校でもクラブ活動は1年ごとに変わりますが、できるのは1種類だけだし途中で別のクラブをやりたいと思ってもできないですよね。

しかもこのマレーシアのクラブ活動、すべて子供が選ぶのではなく、先生が「あなたはこれをやってみたら?」と全然興味のないことをあえてやらせることもあるのだとか。

一見すると本人が興味のあることをやった方がいい気がしますが、あえてそうすることで子供自身も「やってみたら楽しかった」という自分では気付かなかった興味・関心が生まれたりするのだそう。

それに、著者によるとマレーシアのインターナショナル・スクールの先生は受け持ちの人数が少ないこともあり子供たちのことをよく見ている。

そして子供が何を頑張っているのか、その子はどんな適性があるかをよーく観察しているから、適切なアドバイスができるのだそうです。

辞めグセがついたらどうなるのか

「なんでもすぐ辞めると辞めグセがつくからよくない」と教えられてきた私達からすると、そんなに簡単になんでも辞めてしまって大丈夫なの?と心配になります。

それが実際、「辞めグセ」のついた大人がたくさんいるのだそうです。

辞める理由は「ハッピーじゃないから」「家族との時間を取れないから」など、日本人からしたらちょっと驚くことばかり。

でも著者は「それ(すぐ辞めてしまうこと)は悪いことなのだろうか」と疑問を投げかけます。

その仕事が自分に合っているかどうかなんて、やってみなければわからない。

いくら頭で考えたって、自分が本当に好きか嫌いかは、大人だってわからない。

そう言われるとそりゃあそうだ…としか言いようがないですが、日本社会ではそれが許されにくいのだからツラいですよね。だから過労死や自殺が繰り返し起きるのだと思います。

「辞める経験」が少ない日本人

「石の上にも三年」とよく言われるように、どんなに辛くてもまずは3年頑張ることが推奨される日本。

子供のころから一度始めたら辞めてはいけないと教えられるので、自分で辞める決断をした経験が少ないのです。

子供のころから小さなトライ&エラーをする。

「これは自分は好きじゃないかも」「こっちの方が好きかも」と思ったら実行してみる。

そうすると本当に自分が好きなものに出会う確率も上がるし、辞めちゃって失敗だったなぁという「辞めた失敗」も経験できる。

子供のころだったらそんな失敗も大きな問題にならないし、そういう自分と向き合う練習を小さなころからしておくことが大事だと著者は言っています。

最後に「他人にわかりやすいストーリー作りをしない」

私たちは何か他人と違うことをするときに、つい「他人にわかりやすいストーリー」を目指してしまう。海外移住でもそうだ。「会社の命令で」「仕事上仕方なく」など大義名分があればわかりやすいが、「なんとなく行ってみたいな」「面白そうだったから」などと言えば攻撃される可能性がある。

そこで、取ってつけたような理由を捻出してしまうのだ。(中略)他人は理由を求めるかもしれないが、理由なんて別になんでもいいし、なくてもいい。自分で責任を取るなら「こっちの方がなんとなく良さそうだな」「なんか、気になるな」程度で動いてもいいのではないか。他人に理解してもらおうとしなくていいのだ。(中略)

住みたいから住む、違うなと思ったら撤退する。家族やまわりと妥協できれば、それでいいんだと思う。

(第5章「みんながグローバルになる必要はない」166ページより)

これ、まさに私もそうで、「カナダに行く」っていうと必ず「なんで?」って聞かれるじゃないですか。

理由はひとつじゃなくて、おもしろそうだし、洋風の家が好きだしっていう軽い理由もあれば、カナダの教育を娘に受けさせたいとか、日本のIT系の会社はブラックすぎて絶対に働きたくないからカナダで働きたいとか、真剣な理由もある。

それをどうやって他人に説明すればいいのかいつも四苦八苦していたのだけど、これを読んで「あぁ他人に理解してもらおうとしなくていいんだ」ってすごく気が楽になりました。

これからは「行きたいから」で全部すませようと思います笑

海外移住したい人も、日本で仕事や部活を辞められなくて悩んでる人も、みんなが楽になれる1冊です。ぜひ読んでみてくださいね!

2 COMMENTS

東田 健

日高様、野本さんの本の担当編集者の東田と申します。本のご紹介と感想、ありがとうございます。日本に息苦しさを感じている人に、違う世界と視点があることを知ってもらって、気持ちが楽になったり人生の選択肢が増えたらと思って作りました。若い方々に読んでいただきたいので、ネットやSNSで広がることを期待しており、今回の紹介は本当に感謝です。ありがとうございました。

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kanami

>東田さん
コメントありがとうございます!返信が遅くなり申し訳ありません。
おっしゃる通り私も日本以外の他の選択肢を知ることで楽になる人が増えればいいなと思い紹介させてもらいました!私が住んでいるところは田舎ですがちゃんと書店にも並んでましたよ。たくさんの人に読まれるといいですね!

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